日本の大地で培われて来た日本人の感性を原点とするデザイン創造集団


by j-sense
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カテゴリ:□300年住宅( 7 )

j-sense300年住宅プロジェクト
福永博建築研究所+Arts and Architecture

2010年7月31日(土) 14:00~16:00
会場 : 梅ヶ丘アートセンター
(東京都世田谷区代田3-48-5 小田急線「梅ヶ丘駅」徒歩5分)
会費 : 1,000円 (資料代)
お申し込みは、エーアンドエーセントラル
(Tel : 03-5431-6030 または、E-mail : h.maruya@a-and-a.netまでお申し込みください)
■プログラム
国土交通省の平成21年度「長期優良住宅先導的モデル事業」採択
世代継承型マンション300年住宅プロジェクト
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の概要を紹介すると共に、
東京での賃貸住宅事例の報告を致します。
1.福岡で進行中のモデル事業の事例報告
2.東京でのオーナー住宅+賃貸住宅の事例
・阿佐ヶ谷M&Wコート
・成城学園Kビル
・杉並の木造三階共同住宅
3.質問と意見交換会
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by j-sense | 2010-07-08 10:07 | □300年住宅
■教養設備の立て配管が占有部分を貫く従来のマンション
一般的なマンションの図面を見ると、PSと表記される、壁に囲まれた小さな空間があります。これが排水管が収まるパイプシャフトです。従来のマンションは、パイプシャフトが専有部分を貫いているため、リフォームしにくく、また配管の点検等が不便でした。
■立て配管を外に出す(廊下側とバルコニー側の2カ所)
一般的なマンションの図面を見ると、PSと表記され、壁に囲まれた小さな空間があります。これが排水管が収まるパイプシャフトです。この排水管を玄関横とバルコニーの室外に移動させ、床下の横配管により浴室やキッチンとつないでいるため、水まわり設備も自由自在に動かせるようになりました。
■室内の横引き配管は、間仕切り壁に沿ってレイアウト
ブライト・サンリヤン 別府シールズの室内への横引き配管は、間仕切り壁の床下を通って枝管でキッチンや浴室、洗面室とつながります。将来、間取りを変える場合は、枝別れした排水管をつなぎ変えるだけで、水まわり設備の位置を自由自在に変更することが可能です。


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■3〜4人家族の子育て世代
子ども部屋やプライベートルームが確保でき、和室を開放することでリビングに広がりが生まれる間取り。対面キッチンで家族とのコミュニケーションもとりやすい。

■子供たちが巣立ち夫婦二人でゆっくり
部屋数を減らして、主寝室に書斎として使える空間を確保。水廻りを自由に動かせるので、広々とした横長のリビングなど、ライフスタイルに合わせて間取りを変えられるのが大きな魅力です。
■マンションの「骨組み」と「室内」を別々に考えます
SI住宅(スケルトン・インフィル住宅)とは、建物の構造体を示す「スケルトン」と内装や生活設備、間取りなど専有空間の内側を示す「インフィル」を分けて設計された住宅のことをいいます。建物の構造体に制約されることなく、居住空間を自由に変更できる住宅であることを示します。


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by j-sense | 2010-07-08 09:59 | □300年住宅
いよいよ、本格的に300年住宅仕様のマンションが目に見えるようになって来ました。
玄関脇、共用廊下側にあるパイプシャフトは、配管の交換が可能です。
普通は、このパイプシャフトが住戸の中にあるため、プライベートゾーンに入らないと工事ができないのです。
グレーの太い管が配水管、右側の予備のスリーブ(穴)が交換用のものです。f0155409_9202142.jpg
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南側のベランダと北側の廊下の腰壁はレンガです。
鉄筋が入っているため耐震性があり、長い月日にも美観的に耐えられるため塗装直しの問題はありません。メンテナンスフリーです。
鉄筋もタテヨコに通り安心です。
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バルコニーにも配水管を用意しています。
キッチンや、浴室やトイレがバルロニー側に配置された時に利用します。
という訳で、水まわりの配置が自由にできます。外が見える南側の浴室配置もできるという訳です。
リゾートホテルのような水まわりに改造できます。


























室内の配管も交換ができるように、床に点検用スペースがあります。
この部分のフローリングは、ねじ止めにしておき、いつでも工事ができるようにします。
美観的に気に入らない場合には、10年に一度のリフォームであれば、その時にはフローリングも交換する、あるいは、その時には切断するということで、下地だけはビス止めにしておきます。
300年住宅は、このように、暮らし手の考え方に対して、柔軟に対応できるのです。



玄関脇の黒い箱が、パイプシャフトです。ここはモデルなので箱にしていますが。
上の写真にあるように、原寸でシャフトをつくり工事サイドで、職人さんの仕事がしやすいように工夫を重ねています。
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by j-sense | 2010-07-08 09:21 | □300年住宅

「300年住宅」とは

(300年住宅の創設者、福永博建築研究所のホームページから)
http://www.fari.co.jp/300nen.html

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「300年住宅」とは300年の使用に耐え、住宅としての機能を保全できるマンションを意味します。
世界には300年、500年の時を刻み保全されてきた街や建築は数多く存在します。
300年住宅は、建物そのものを価値あるものとすることを提案しています。
ヨーロッパの人々は歴史のある美しい街に住んでいます。
土地と建物の価値を切り離さず一体化したものと考えています。
そして国が力強く富を得たときに、街はつくられています。

考え方は3つに分けることができ、リンゴに例えると「皮」「種」「実」となります。

「皮」は社会的な現象です。
マンションのスラム化や環境問題は今からの問題ですが、バブルの崩壊は過去のものとされつつあります。
しかし、バブルの本当の原因と問題点は報告されていません。

「種」は食べることはできませんが子孫を残す重要な役割を担っています。
300年住宅ではそれは建築の使命にあたり、「人々の生命と財産を守る」こととしています。
具体的には4つの理念で構成されており、
(1)社会の発展の中で建築を正しく捉える
(2)伝統・文化を正しく評価し継承する
(3)住む人・使う人の立場に立って考える
(4)経済原則を踏まえ豊かで平和な世界を築く
としています。
この考え方から、300年住宅が導き出されました。
デザイン重視ではなく、社会の中の建築づくりを目指しています。

「実」は長期に耐久できる建物をつくる仕組みです。
建築の歴史的事実から推測し、300年間という時間の保全も不可能なものではないと考えています。
しかしながら、メンテナンスフリーで300年間の時間に耐え得る住宅は存在しません。
建築は寿命の異なる材料・部材の集合体であり、何も処置を施さないと最も寿命の短い材料・部材から老朽化が進みます。
その部分の機能が損なわれると、たとえ建築としての空問は残っても、住宅としての機能は消滅します。
建築は今まで“技術”のみを追求してきました。
しかしながら“技術”だけでは、300年の時間にわたって建物を保全することはできません。従って今回新しく“マネジメント”の概念を導入し、“技術開発”と“マネジメント”2つの軸により300年の時間に対応できる体系を提案します。
“技術開発”とは、300年の時間に対して建物を保全するための具体的な目標を設定し、その方法論を組み立てることです。
“マネジメント”とは変化するものと変化しないものを予測し、建物と資産を保全するための仕組みを構築することです。

「300年住宅」はこの2つの軸のもとに、今までのマンションの在り方に対して5つの変更点を加えることにより、300年問の耐久性と資産としての価値を保全しようとするものです。

300年の時間に対応するものは、住宅としての機能と資産価値の双方を含みます。
従って「300年住宅」とは狭義においては商品のことを意味し、広義においては資産価値までも含むことになります。
「300年住宅」とは、このような集合住宅を実現するためのプログラムを述べているものであり、5つの変更点とはその具体的回答です。

【5つの変更点】
<商品>
1.300年間メンテナンスフリーで保つフレーム
2.配管をプライベートから分離
3.住空間の自由性を保全
<方法>
4.組織
5.経済性
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by j-sense | 2007-10-14 15:38 | □300年住宅

現代住宅の社会問題

(問題点の1)
スラム化が避けられない現在のマンション
現在、建物が古くなり、住宅としての機能を保全するために、何らかの大修理を
必要とするマンションが大量に存在します。築後20年を経過した民間分譲マンショ
ンだけでもその数は40万戸を超えました。しかしながら、住民合意がとれない、
高額な修理費の工面が難しいなどの理由により、大修理を実行することができないマンションが大半です。このまま放置すると、住宅としての機能を喪失しかねな
ません。そして、売ることも、貸すことも、修理することもできず、住民がマンショ
ンを放棄するようになると、スラム化が進行します。スラム化が始まるとマンションの資産価値は消滅します。

(問題点の2)
バブルの崩壊
不良債券化した不動産は120兆円ともいわれています。これらの不動産は、バブル時に融資が実行され高値で購入されたものがほとんどです。土地が高額なため、それを事業化することは不可能に近いと言えます。従って銀行は不良債権を処理することができず、不良債権は停滞したままとなります。さらに、バブル後は土地価格が急速に下落しています。含み資産の売却、年間の利益に応じた不良債権の償却などによる銀行の損切りは限界があり、このままの状態が続くと銀行の経営基盤を危うくしかねない状態です。つまり、高値で購入された土地は、事業化の目途が立たず凍結状態にあり、その量が莫大に存在するのです。この2つの問題、つまりマンションのスラム化と高値凍結の土地により、マンションの市場そのものが崩壊する可能性は否定できません。

(問題点の3)
環境問題
地球的テーマとなっている環境問題です。特に建築業界は熱帯材を利用したコンパネを大量に消費しています。コンパネを例として取り上げてみても大きな問題であり、その解決が急がれます。その他、省資源、リサイクルなど取り組むべき課題は多く残っています。建築業界もそろそろ、環境保全と経済の持続的な成長をどのようにバランスさせるかについて、具体的な提案を行わなければならないと思います。マンションのスラム化、バブルの崩壊、環境問題、この3つの課題が「300年住宅」を提案するに至った直接的な要因です。
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by j-sense | 2007-10-13 15:45 | □300年住宅

何故、300年住宅なのか

300年住宅の技術は、単に造り方を開発するだけではなく、永く保つ資産として「本物」としての価値を備えていなければなりません。
ここでいう「本物」とは、美しさや高い資産価値を持つと共に、それを維持しやすい建物や運用の仕組みを持っているものです。
そのような建物を実現する為には、確かなコンセプトと段階を追った開発が不可欠です。
100年以上の時間に保つ建物を造る技術は、部品単独では効果がありません。
何万とある建築材料・部品を各々別々に長期耐久型として開発しても、それらが有機的に組み合わせることができなければ、大きな効果は期待できません。部材メーカーに対して、進むべき将来像を示す必要があります。
そこで300年住宅では「5つの変更点」を提案しています。
最初に全体を俯瞰し、共通目標とすることで、各メーカーは自分の領域を明確に認識して責任分担できると共に、産業全体としては同じ方向に力を集中させることができます。
住宅の部材メーカーは自分が開発していく部品が他の周辺部品とどのように連携し、どのような効果を生み出すのかを知る必要があるのです。
これは組織の運営と同じで、個は全体の中で自分がどこに位置してどのように機能しているのかを知り、互いに連携することが大事なのです。
そうすることで全体に大きな相乗効果が現れます。
そのためにも、同じ開発思想を基盤とする必要があり、それが「300年住宅方式」なのです。
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by j-sense | 2007-10-12 15:48 | □300年住宅
[ 2007年9月12日 ]住宅コンサルタント 平賀 功一氏

 自民党は今年6月、超長期住宅の実現を目指す「200年住宅ビジョン」を策定・公表した。その内容は「環境負荷と住宅コストの軽減」「流通市場の改革」「新たな住宅金融システムの構築」など、12の政策提言から構成されており、安倍政権が掲げる“美しい国づくり”へ向け、住宅システムの再構築が進められることとなった。しかし一方では、従来からある議論の寄せ集めにすぎず、目新しさに欠けるとの指摘もある。はたして、200年住宅は誕生するのか、同政策の内容を検証してみる。

■「ワーキングプア」ならぬ「マイホームプア」な日本の住宅環境
 「日本の住宅は貧しい」……こう言われるようになって、一体どれくらいの年月がたつのだろうか? 「犬小屋」と揶揄(やゆ)される居住面積の狭さ、住宅ローンを返し終わったと思ったら建て替え時期を迎える短命な住宅寿命、さらに、一人暮らし老人の孤独死や経年マンションのスラム化など、“貧しさ”を象徴する事例は枚挙にいとまがない。GDP世界第2位の経済大国が抱える住宅事情の貧しさは、これほどまでに根の深いものとなっている。

 そこで、こうした現状を打開すべく06年6月に住生活基本法が施行、超長期にわたって循環利用できる質の高い住宅ストック(=200年住宅)の形成が政策理念として打ち出された。“マイホームプア”からの脱却が、ようやく具体的な目標となったのだ。実は今回、策定された「200年住宅ビジョン」もその中身は住生活基本法を踏襲している。以下、「200年住宅ビジョン」の中身を順を追って見ていくことにしよう。

■200年住宅ビジョン 12の政策提言
<提言1> 超長期住宅ガイドラインの策定

 一口に「住宅」といっても関連する産業は幅広い。そのため、各業界が単独で200年住宅を目指しても、行き着く先には限界が見えてしまう。そこで、建築・維持管理・流通にかかわるシステムを連携した一体の社会システムとして再構築する必要が叫ばれており、そのためには国民・住宅関連事業者・国・地方公共団体などが200年住宅に対するイメージを共有することが不可欠となった。そこで、超長期住宅に関するガイドラインを策定することで、目指すべき方向性を統一しておこうという狙いだ。

<提言2> 家歴書の整備

 家歴書とは、新築時の設計図書や修繕履歴・定期点検の結果などを記録した履歴簿のことをいう。情報の蓄積により、リフォームあるいは点検・交換が適切に行なわれることが期待され、また、家歴書の整備により使用建材や設備・施工業者名などもデータベース化されるため、災害あるいは事故が発生した際、迅速な対応が可能となるメリットもある。

<提言3> 分譲マンションに対して、新たな管理方式・権利設定方式を構築する

 現在、分譲マンションを取り巻く環境は芳しくなく、経年にともなう建物の老朽化、居住者の高齢化・賃貸化といった多くの課題を抱えている。そのため、管理組合運営が正常に機能せず、適切な維持管理が十分に行えない状況に直面している。そこで、管理組合の理事長を管理者とする現在の管理方式に加え、マンション管理業者を管理者とする管理方式を新設。知識も経験も豊富な管理業者主導による新方式を取り入れることで、直面する課題に対処できるセーフティーネットを構築する。

<提言4> リフォーム支援体制の整備、長期修繕計画等の策定、リフォームローンの充実

 建物を長持ちさせるためには、適時・適切なリフォームや大規模修繕が欠かせない。そこで、インターネットによる情報提供や相談窓口を設け、消費者が安心してリフォームや修繕が行えるように、支援体制面・融資面での基盤整備を行なう。

<提言5> 既存住宅の性能・品質に関する情報提供の充実

 これまでにも品確法による既存住宅の性能評価、あるいは民間の検査機関による独自の性能評価制度はあった。しかし、その精度にはバラツキがあり、必ずしも客観性を伴った内容ではなかった。そこで、簡便かつ一定の客観性を担保した「既存住宅の評価ガイドライン」を策定し、買い主が安心して住宅を購入できる流通システムを確立。もって、中古住宅市場の活性化を目指す。

<提言6> 既存住宅の取り引きに関する情報提供の充実

 日本の住宅政策は、これまで「新築住宅」主導で行なわれてきた。そのため、中古住宅の情報提供は二の次とされてしまい、そのことが既存住宅の流通規模を縮小させる要因となっていた。そこで、取引価格を中心に情報提供を積極化して、価格形成の透明性を確保し、中古住宅の売り主・買い主どちらにも“やさしい”流通システムの充実を図る。

<提言7> 住み替え・二地域居住の支援体制の整備、住み替えを支援する住宅ローンの枠組み整備

 マイホームに対する価値観やライフスタイルが変化したことで、個人の居住ニーズも多様化した。郊外の庭付き一戸建てをゴールとする“住宅すごろく”は、必ずしも万人に当てはまらなくなった。そこで、柔軟な住み替えや二地域居住(都心と田舎にそれぞれ自宅を所有して行き来する居住形態)を支援する仕組みが新たに必要となり、就労に関する情報提供あるいは住み替えを円滑化させる新型住宅ローンを整備し、多様化する住宅ニーズに対応できるよう準備を進める。

<提言8> スケルトン・インフィル住宅を支援するための住宅金融などの枠組み整備

 スケルトン・インフィル住宅とは、建物の躯体(くたい=S:スケルトン)と内装(I:インフィル)を分離した設計構造の住宅をいう。マッチ箱をイメージすると分かりやすいだろう。このSI住宅、200年住み続けられるだけの構造的要件は兼ね備えているが、他方、200年の間に所有者が何人も変わることを考えると、住宅ローンの組み方も従来のままでは対応不十分となることが想定される。そこで、SI住宅にふさわしい住宅金融のあり方が模索されており、これまでとは異なったユニークな住宅ローンの検討が必要となっている。

<提言9> リバース・モーゲージが提供される仕組みの構築

 リバース・モーゲージとは、マイホームを担保に融資を受け、借入者の死亡時に当該住宅を処分・換金して残債を一括返済するローンのこと。200年住宅が普及すれば、住宅の所有者が住宅より短命になることは十分想定される。そこで、高齢になっても安心して住み続けられるよう、新たな収入源を確保する手段としてリバース・モーゲージの活用を積極化していく考えだ。

<提言10> 200年住宅における税負担の軽減

 住宅は生活の基盤だけに、税負担は無理のない範囲での課税であることが望ましい。そこで今後、「社会的資産」となる200年住宅の税負担に関し、住宅税制全般に立ち返ってその在り方を整理・検討するものとする。

<提言11> 200年住宅の実現・普及に向けた先導的モデル事業の実施

 日本の住宅市場において、200年住宅はこれまで経験したことのない新たな試みとなる。それだけに、一般普及への実現性を事前に検証しておく必要がある。そこで、テスト的な意味合いで先導的モデルプロジェクトを実施し、200年住宅ビジョン成功への道筋をつける。

<提言12> 良好な街並みの形成・維持

 マイホームは、その地域との調和・共生なくしては存在しない。200年間も住宅価値を持続させるためには、なおさらだ。そこで、良好な街並みの形成・維持には官民一体による取り組みが欠かせず、各種の規制・誘導制度が必要となる。今後、そのための基盤整備を提言し、枠組みの確立を目指す。

■価格形成プロセスの透明化・情報公開化が必要不可欠
 以上、12の提言を順に説明した。「環境への配慮」「建築システム」「住宅流通」「維持管理」「住宅金融」「基盤整備・街並み」といったポイントを一通り押さえ、全体としてまとまりのある内容に仕上がっていると感じた。しかし、「どうやれば建物を少しでも延命させることができるか?」といった視点を中心に策定されているせいか、「取得のしやすさ」という議論が不十分であるように思えてならない。生涯収入の大部分を費やさなければならないマイホーム購入において、「買いやすさ」への考慮なくして豊かな住生活の実現はあり得ない。

 ここでいう「買いやすさ」とは、価格設定が適正であるということと同時に、きちんと情報公開されていることを意味する。ようやく既存住宅はインターネットなどでも取引価格が調べられるようになったが、新築住宅に関しては今もって「販売直前まで価格未定」という状況が蔓延している。しかも、参考客には価格表の請求すら拒む。このような販売価格を“隠したがる”風土は、今後、改善されなければならないだろう。そこで、ぜひとも価格決定権を売り手側だけに温存させず、買い手側にも付与するようなモデル構築(たとえばオークション制度の導入など)を“13番目”の政策提言として追加してもらうことを願う。「質の高い住宅ストック」の条件として、「買いやすさ」を忘れてはならない。

e住まい探しドットコム(http://www.e-sumaisagashi.com/)代表
ネットを中心に公平・中立なスタンスで「失敗しない住宅選び」のための情報発信を行う。
日経住宅サーチ「マンション管理サテライト」でも連載中。
ファイナンシャルプランナー 宅地建物取引主任者
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by j-sense | 2007-09-16 11:24 | □300年住宅