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日本の大地で培われて来た日本人の感性を原点とするデザイン創造集団


by j-sense
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札幌で雪国の楽しさを堪能したご一家が、突然福岡へ。そこで借りた家は住宅メーカの家。でも、とても寒かった。札幌の家はスェーデンハウスだった。そのギャップに驚いた。
そこで建築家を探す。温熱環境に長けている経験と後は感性が合うかどうか。
プロトハウスの桑原さんと懇談し、道が開けた。
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屋根には、omソーラーが載っている。全館床暖房というか、温度差のない家ができた。
デザインは、オーソドックスで飽きないもの。それは、建て主も設計者の私も一致するところだった。
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物置とポストを兼ねたパネルは元気の出る「赤色」。この家のシンボルカラーとなった。
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対面キッチンの問題は、手暗がりになること。とくに日当たりのいい南向きではいっそうのこと。
そこで、工夫したのがガラスブロックの手元隠し。ガラスブロックをどこかで使いたいと当初から思っていた奥様の願いがここで実った。デザインは、気遣いから。
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1階の床も、キッチンの家具もウォールナット材。クルミ材である。使えば使うほど味の出る木です。
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浴室、洗面所には裏動線がある。ここはテラコッタタイルが敷かれ室内の選択干し場にもなっている。
家事を気持ちよくできる世界が広がる。
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水回りには水に強いヒバをつかっている。明るく優しい感じが肌に優しい。
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# by j-sense | 2008-12-25 22:30 | ■南のデザイン1「南風台の家」
北海道の建物の印象は「四角い箱」。
そこに四角い窓という穴があいている単純なカタチです。
せっかく広い土地に立っているのに、屋内と屋外との繋がりがほとんどないのです。
日本の住まいが世界に誇れる空間は内と外との間の空間の豊かさでした。
そこに奥深い味わいのある暮らしがありました。
内でもない外でもない空間です。
・ 内と外とをつなぐ「中間域」をつくる
濡れ縁、広縁、土庇、土間、サンルーム、温室(グリーンハウス)、ウッドデッキ、中庭、坪庭、パティオなどの空間が伝統的にありました。
こうしたものだけではなく屋上庭園など多様多彩な新しい表現方法をこれからも提案して行きます。
天井を外へ延ばす/床を外へ延ばす/壁を外へ延ばす/内外壁の仕上材や照明を一体化する。
 「北のデザイン」その手法1・・・「閉じたデザインから開くデザインへ」_f0155409_0284221.jpg

隣地との境は透けた垣根。それでも十分。
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ウッドデッキと透けた小屋が程よい居場所をつくってくれる。
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楽しいホームパーティー、近所もすぐに仲良くなる。来客も近所の人と談笑する。
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隣のじいさんはせっせと芝刈りを。
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2階からの眺めも一体感。
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今と庭が一体感。
# by j-sense | 2008-12-08 04:04 | 手法❶開くデザイン
四角い箱同士は、独立独歩、つながるきっかけがありません。
家と家をつなぎ街並を形成するためには、家回りの仕掛けが重要です。
車庫、玄関キャノピー、塀、生け垣などの要素が役立ちます。
世界中の集落に共通して見ることのできる手法があります。
それは、外に開く手法と内に開く手法の共存です。
プライバシーを守る仕掛けが内に開く「中庭」です。
これによって外に開いてもバランスがとれるのです。
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切り妻屋根も三つ並ぶと仲良しに。
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フラットルーフも車庫と合わせて親子関係。
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正面は、庭と一体明る過ぎかな。塀はやっぱり透け垣きで。
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# by j-sense | 2008-11-07 04:06 | 手法❷つなぐデザイン
札幌の冬至の南中太陽高度は24度、鹿児島は35度、そして夏至の南中太陽高度は札幌が70度、鹿児島が82度です。
フィンランドの建築家アルバー・アールトがヴィープリの図書館で提案した沢山の連続したトップライト、それは太陽高度の低い土地だから出来たことです。もし同じことを東京でつくったら直射光が目に入り図書館にはまったく向かない建築となってしまいます。
また、太陽高度の低いフィンランドでは、窓から入る日射がきついため外側にブラインドを付けることが珍しくありません。ドイツ、オーストリア、スイスなどに共通して見られる光景です。
このように太陽高度に見合った開口部の設計が大切なのです。
太陽高度の低い地域では南斜面の住宅地が採光上有効です。
北斜面の場合には光り輝く北側の景色が素晴らしいものとなります。
また、南側のハイサイドライトも有効です。
積雪時は雪面の反射光を活用しましょう。地窓が豊かな光を見せてくれます。
家の向きや開口部も真南に向けるだけではなく、45度傾けてみると返って有効な採光が可能となることもあります。
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北欧(オランダ)では、太陽光が横殴りに押し寄せるため「外用ブラインドは生活に欠かせない。
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A.アールト設計ヴィープリの図書館
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A.アールト設計セイヤヨキの図書館
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A.アールト設計セイヤヨキの図書館の内部
# by j-sense | 2008-10-08 04:07 | 手法❸太陽高度が教えるデザイン
「北のデザイン」 by j-sense

北海道 この美しい豊かな大地に 何故美しい街並が育たないのか。
私たちは とても残念に思っています。

この思いは、私たちだけではなく、良識のある人々に共通した疑問であり、願いです。

そして、個々別々の孤立した住宅街ではなく、温かいコミュニティ(地域共同体)が育つ仕組とデザインが必要であることも、
孤立した近隣関係しかない現代の大きな課題と考えています。

私たちは、こうした願いを実現するためにj-sense「北のデザイン」研究会を進めています。
そこで構築したデザインスキル(デザイン、技術、ノウハウ)はひろく世の中に公開しています。
また、公開することによって多くのご助言やご提案を頂き、さらに充実したものにして行くものと考えています。
「開かれたデザインは成長する」のではないでしょうか。

またこのデザイン手法を実践するためには、良心的で意欲的な住宅メーカー、
そしてデベロッパーの皆様の恊働は欠かせません。
デザイナーだけではなく、つくり手の参加を求めています。

どのように小さな取組みでも、世の中を動かすことはできます。
たった一軒のプロジェクトでも大切にしようと思っています。
わたくしたちが考えている北のデザイン。
それは、以下のような方向性をもつものです。

□ 高気密高断熱ではあっても、「閉じた」住宅にすることなく季節や近隣に対して「開く」住宅をつくります。
そこに、日本の伝統的な住まいの文化があるからです。「開く」ことが自然とつながり、近隣ともつながると考えています。

□ 四季の変化、昼夜の変化、そして太陽熱、地熱、廃熱回収、緑化などを総合的に考えた環境共生住宅をつくります。

□ 自然と健康に優しい建材とデザインを大切にし、設備機器を暮らしに合わせた住宅をつくります。
私たちは総合的で科学的な温熱環境をつくる技術を蓄積しています。
また、北海道の木材資源、珪藻土など地場材の活用により、循環経済を実現し、内地への販売も積極的に取り組みます。

□ 日本人が長年培って来たデザイン感性、空間感性は世界に通じるものです。
そうした感性を現代住宅の中に生かします。
真行草、わび、地派手、有無、数寄、間などの心です。
J-senseの運動もそこから始まりました。

□ 住まい手、つくり手、デザイナー、研究者の4者の恊働と和を大切にします。

□ これまでに、それぞれが築きあげて来た経験と蓄積を大切にし、そこからのデザインをつくりあげて行きます。
それぞれの住宅メーカーが培って来た蓄積を尊敬し、
そこから出発した住宅をつくりあげて行けるような柔らかい「北のデザイン」を構築して行きます。
「北のデザイン」研究会は、住宅メーカーの具体的な商品開発にも恊働します。実践的な研究会という姿勢を貫いて行きます。

□ そして、何よりも長い年月の中で愛される美しい住宅をつくります。

● もう1つのデザイン・・・「ベーシックデザイン」の提案
今、日本はデザインブームです。吉岡徳仁、深沢直人、佐藤可士和などデザイン雑誌の話題を独り占めしています。
そして、デザイナーを目指す若い人たちもたくさんいます。
デザインには、個性・創造・ユニークが重んじられ勝ちです。
それはそれなりの価値はあります。
そして話題豊かです。
しかし、そうしたデザインが何十年、百年と続くでしょうか。
そう聞かれると誰もYESとは答えないでしょう。
むしろNOと確信を持って答えると思います。
継続できるデザイン、誰でもが愛せるデザイン、一つ一つには個性があっても全体としても美しく連なるデザイン・・・
そういうデザインの世界がもう1つあります。
そのデザインは、学べるデザインです。
天才でなくてもデザインが好きな人間であれば、学び成長し、身につけられるデザインなのです。
「北のデザイン」は、そうしたみんなが学び、育ち合い、成長し合い、継承できるデザインを考えています。
決して、自己主張ではないのです。
ゆったりとした、落ち着いた、普段着のデザインなのです。
こんなもう1つのデザイン、手を取り合って育てて行きませんか!
# by j-sense | 2008-10-01 06:38 | ■北のデザイン1「拓北の家」